民家のデザインでよく見られるデザイン要素「格子」。
今日はそんな話。
ー篠坂の家ー
家を構成する要素は基本的には大まかに言って、二つに分類されます。
「線」的なものと
「面」的なものです。
線的なものとは具体的に言えば、柱や梁等を指します。
面的なものの代表は、壁や、屋根、床でしょうか。
設計者は線的なるものと、面的なるものの構成で
空間を組み立て、生活出来るものとします。
この、線と面の配置いかんによって、
使いづらくなったり、使いやすくなったり
醜くなったり、ため息が出る程の美しさをうみだすことがあります。
ー愛媛県の民家ー
それでは「格子」は線的なデザインでしょうか?面的なデザインでしょうか?
意匠にもよりますが、個人的な感じとしては
「線と面」の中間的な役割を果たすものだと考えています。
実は日本建築はこの第三の構成要素とも言える「線と面」的なものが特徴なのですが
それはまた、別の機会に解説しましょう。
そうした意匠的な中間的性質は格子がつくりだされた目的の為だと思います。
室内を明るくする為に、開口部をあけたいのだけれど、防犯もしたい。
そんな時に発明されたのが「格子」だったのだと思います。
機能的でもあることは勿論、その上で美しい意匠も先人は発明してきました。
格子は、ごくごく部分的に家に取付けることができますから、
実に様々なパターンをつくりだすことができます。
思慮深く設計された格子をもつ空間は
いきいきとした表情、調子をうみだし
美しい光とかげを室内外にもたらします。
子曰く、いいじゃん。
ゆあさ