大角設計室のブログ

おだやかなくらし。刻が染み込む家をみんなで創ります。

珈琲と建築


先週いっぱいで大盛況のうちにおわりました
「建築家のしごと展4」(@岡山天神山文化プラザ)に
事務所の卒業生が参加していたので、見学に行ってきました。



もともと建築家の活動が岡山県ではあまり活発ではありません。
(特に私を含めた若手建築関係者の)

「建築」を生業にするものが、社会にどのように役に立って行けるか。
「建築家のしごと展4」はそんな問いかけをしながら
今年で4年目となる建築設計者による展覧会です。

継続は力なりですね。
あと26回したら、先日の古民家再生工房30周年と並びます。

そういった建築文化に育って行くのでしょう。



会期中、会場には香ばしい珈琲の薫りがする日があって
人気珈琲焙煎屋の店主が、即席のショップを設営し
美味しい珈琲を販売していました。

僕も早速入れていただきました。

珈琲は薫りと味も大切ですが
折角対面式の珈琲スタンド形式でいただいているのですから
作る過程も楽しみます。

豆を挽く音。
ゆっくり美しく円を描きながら注がれるお湯。
ふっくりとふくらむ薫りと豆。

あまりに楽しくて話も弾みます。

「なんで、そんなに、湯が注いだ時に膨らむんですか?」



自分も珈琲を事務所で入れるので興味津々です。


店主曰く。答えは


「うーん。あんまりうまく言えないんですが、、、
しいていえば、豆がふーっくら膨らんできた時に、
それを邪魔しないようにするというか、、、、
たとえば、膨らんでる途中にぺちゃっと潰すように注がないとか。」



へぇ〜


と思いました。




そんなこんなで挽きたて珈琲をゆっくり味わいながら
ボーっと展示会場を眺めていたのですが、

なんとなくさっきの珈琲の話。建築に似てるなと。


私達は特に民家の再生なんかも良く行うので
民家のもともともつ魅力を最大限抽出するように細心の注意を払います。


でも、設計者は時に民家のもつ独特の建築の膨らみと
喧嘩してしまうときがあるかもしれません。

自分の「やりたい」と思う、わがままな設計が
民家のもともとの魅力を更に膨らませる様に
愛情を優しく注げているだろうか。




とかなんとかいうことを
あまり深煎りにはならない程度に適度な焙煎で
今後も考えて行ければなと思っています。

漆黒の民家の闇は
豊饒な薫り高き、深煎りの珈琲です。

一度熱くなって、少しクールな適温で
愛情を注ぐと、美味しい空間の出来上がり。

でも適温は90(苦渋)となりそうです。
度(℃)が過ぎてはあきまへん。


お後が宜しい様で。わろてんか


ゆあさ