大角設計室のブログ

おだやかなくらし。刻が染み込む家をみんなで創ります。

受容と享受と抱擁を


先週6/23.24に岡山市南区で開催しました、
見学会にいらしていただいた方々
誠にありがとうございました。

無事に、終始和やかなムードの中終えることができました。

そのあと施主と少しお話をしたあと
「引渡し」をおこないました。


今日、この瞬間から、私たちの手から、施主の手によって
この家は育っていきます。


ちょっと、さみしくもあり、
ここまで立派にそだった自慢の子供をしっかり送り出す晴れやかな気分でもあります。




設計事務所の家は
とかく、立派に見えすぎて、ハタから見た場合は、
「わたしはこんな家ではとても住めない(だろう。たぶん。ぜったい)」と
ほとんどの人に受け取られがちです。


でも、百聞は一見にしかずで、見学会に来てくださった方は
この家に住む施主に会い、話を聞くことで、うまく言えませんが
大角設計の家に住むことにたいして、「ある程度の現実感」とか「わくわくする感じ」を
感じていただけたのではないでしょうか。

設計事務所の家は「ごく普通の人」のためにあるべきです。



今回、見学会に参加してくださった方は
小さなお子さんをお持ちの方が多くいらっしゃいました。

真っ白な漆喰の壁や、大開口の障子などを
子供さんが、うっかり触ってしまわないかと
気をつけて見てくださっていました。



施主さんも、同じような経験をこれからされていくと思います。



施主さん自身、
「これから、こどもとどう折り合いをつけながら、家を維持していくか」
ということを、気にしている話をされていました。

現在の状態が気に入っているため、
子供が悪気なくに家を傷つけた時、
不用意な言葉をかけてしまったり、自分も心理的に負担がかかるのではないか。
ということだと思います。




でも、私たちの経験でいえば
「大丈夫ですよ」ということができます。

大角設計の施主になる方の幾人かは、建てる前に
実際に住まれている、昔設計監理した家を見ていただくことが多いです。
その時、何気なく見学されているその住まいの中に
障子の破れを補修したあとや、テーブルの水染み、外壁の経年変化など
生活の爪痕が「めちゃめちゃ汚くて気になった」という意見はほとんど聞きません。
目の前に見学している家に、リアルな生活の跡が「確かにある」のにです。

私たち大角設計室の創る家は、普段暮らす生活に簡単に飲み込まれるような
ヤワな設計ではありません。
むしろ、多くの人の生活を許容できる「おおらかで骨太な家」を作っています。
それが、民家の本質的な空間だと思います。
ガンガン使いたおして欲しいのです。


たしかに、メンテナンスフリーとはいえない面もありますが
本来家とは、もう少し施主が楽しく育てていくべき器です。

建築家の家ではなくて「あなたの家」であるべきだからです。
生活をしっかりと受け止めることができる設計の工夫が
生活者が意識することなしに
知らず知らずに美しさをともなった生活をサポートできる家となります。





日常を眺める風景が、
意識の外で、当たり前に、気づかずに、
でもやはり美しいという価値を
施主の方にお届けすることが、少しでも出来ていれば
本当に嬉しく思います。



ゆあさ


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o-sumi.hatenablog.com