大角設計室のブログ

おだやかなくらし。刻が染み込む家をみんなで創ります。

現れたコンセプト


玉野市の現場に行くと、新築部が立ち上がっていました。
屋根も取り払われ、軸組だけとなった状態です。

こんな素っ裸の状態になると建物はコンセプトを雄弁に語ります。
「上部の古い架構を新しいフレームが支える」
こんなに明快に現れてくるのは工事中だけです。

幅も背も違う材料がパズルのように組まれています。
これぞ職人技!!と言ったところでしょうか。

丸太梁は曲がったものもダイナミックですが、
今回まっすぐなものを使います。空間がグッと引き締まります。



ところで現場でとっても珍しいものを見つけました。

一見彫刻のようですが、墨壺という大工道具です。
木材は生物材料なので反り捻れるもの。それに加工における基準線を引く道具です。
現代ではプラスチック製のものを使うのですが、これは木製。
そんなもの博物館とかでしか見たことありませんが、今でもバリバリ現役のようです。
大工さん曰く、昔は墨壺といえば手作りが普通だったそうです。
龍とか亀とかが彫られているものがありますが、
それが昔の大工さんの腕自慢だったのかな…と想像します。
ほんとうに大工さんはすげー。です。

うえにし