家づくりは、完成した時から
新しい時計が動き出します。
小さな建物を直して、住み始めた
若い夫婦とひとりの子供さんの
飾らない日常を
記録に収めることができれば
いいなと思って
人物を入れた写真が素敵だなと思っている
写真家の後藤さんに
力をお貸しいただきました。
後藤さんは、写真に対しても真摯なのだと思いますが
後藤さんの特徴は、ストーリーに向き合うということだと思います。
でも写真家にありがちな、
「自己表現」のための写真を撮るために
自分の頭のなかに、あらかじめ存在するストーリーに、
被写体のストーリーをむりやり当てはめるのではありません。
後藤さんの撮影風景は
対象物の中に自分を、ふわっ、と、
自然体に投げ出し、対象物と向き合うというスタンスに感じます。
被写体と対峙しすぎるのではなくて
被写体と並走するような。
対峙しないのも少し違うんですよねぇ。
作品を作る者がみな悩むこの
目指す対象とのスタンス。
そんな禅問答が、
ありのままをすくい取り
賛美したいという
人間の本質ともつながる
幸せなひとときの写真となります。
ゆあさ