なぞなぞみたいなことをブログの始めに言ってみます。
動かないけど動くものな〜んだ。
建築は「不動産」と言われ動かないものとして
法律的には扱われていますが、
そんな建築の中でも動く場所がありますね。
そう、それは「トビラ」や「建具」と呼ばれるものです。
間取りでは、実際の部屋の広さは「何帖」「何m2」「何坪」と表記されることが
多いわけですが、実はこの「建具」と呼ばれる間仕切りが
平面の広がりの感じや、居心地の良さを大きく左右します。
最初と二番目の写真は同じアングルでカメラを構えているわけですが
大げさに言えば、
なんだか全く別の家みたいな写真くらい印象が変化します。
また、「建具」と同様に「人間」も動きまわります。
そうすると、振り返る。立ち止まる。曲がる。キョロキョロする。
すると、どんどんどんどん
同じ部屋だけど印象が変わったりすることもあります。
大角設計室の家は、実はそんな実際の「何帖」「何m2」「何坪」と呼ばれる
物理的な空間の広がりの中に
五感を楽しませるほどよい工夫が散りばめられています。
今日ブログに掲載した4枚の画像は居間食堂台所(LDK)のふた間です。
ご覧いただく印象はいかがでしょうか。
外部との視線を遮る間仕切りや、ふた間をひと間としてコンパクトに使ったり
東西南北いろいろな印象や、様々な生活シーンがイメージできませんか?
でも、住まわれている方は
そんな小難しいことを考えもせず、(と言うより気づきもしないで)
自然にこの空間を楽しめるように、これ見よがしなデザインではない
自然体で美しいデザインになるように心がけています。
そういった空間を実現するためにも
間仕切りのデザインである「トビラ」や「建具」はとても大切です。
そのものの意匠だけでなく、動きや、音、動かす方向、大きさ等
様々な要因とのバランスとの関係でいろいろなことが可能です。
地味だけど、設計者の眼差しを試される
いつも緊張する箇所です。
ゆあさ