広島県での長きに渡るプロジェクトがようやくゴールが見えてきました。
今回は、住宅や店舗ではなくお寺さんです。
100年ほどの建物の再生工事です。
個人的には古い建物をよく見に行きますので
こういった建物の改修に関われることができるのは
大変嬉しいことです。
特別変わったことはしておりませんが
それでも大変美しく、清らかな空気が流れる空間に
甦ったと思います。
なかなか、こしきゆかしい趣を保ちながら
なおかつ
モダンに見せる。というのは慎重なデザインバランスが求められます。
美しい空間は大体において
ほのかに暗い時に、その真価が問われます。
視覚的情報が少なくなった時に
それでもなお、きよらかな、清々しい空気が感じられるかどうか。
再生工事がただの古い建物を直しただけの工事と
一線を画した仕上がりになるかどうかの
デザインの秘訣は
古いものの多少の歪みや、くすみ、埃っぽさを
柔軟に受け入れながら、大工や左官、建具などの職人の高度な技術で
しっかり向かい合うことです。
愚直で、柔軟な時代感覚が施工者と設計者に求められます。
もう少しで完成です。
ゆあさ