玉野の現場が佳境に差し掛かっています。
外装、内装に取り掛かり、たちまち現れる“できてきた”感にとてもワクワクします。
それもそのはずで、この時期には左官屋さんや内装屋さんなど、たくさんの業種が一斉に作業をしてくれています。
周囲の足場も取れて真新しい構えを遺憾なく発揮しています。
このシンプルな構成にも沢山の検討と決定があったこと、思い出されます。
今回の住宅は大角設計室では珍しく、総天井仕上げ。
慎重に沢山の作意を込めています。
居間は間取り的にも精神的にもこの家の中心にあります。
中心に力強い軸組を露わにすることで安心感をもたらす一方、天井は丸太の上方に吸い込まれるようにかすかに浮かせて張っています。
建築用語で“底目”というこの納まりは実はこの住宅の裏テーマでもあります。
構造の輪郭が明瞭になる一方、天井は重力から解放されたように軽い印象を与えます。
こちらは少し天井高を抑えた洗面所ですが同じく天井を底目で仕上げていますが、居間とはちがう作法を用います。
大壁を木枠と天井から同じ寸法セットバックさせることで、真っ白い板が貼り付いたように図式的に見せています。
そうすることで大壁でありながら構造を感じる空間になります。
そんな工夫をすみずみに散りばめることで建築の質はほんの少しづつ高まっていきます。
はてしないです。
かしこ
うえにし