大角設計室のブログ

おだやかなくらし。刻が染み込む家をみんなで創ります。

建てる。使いきる。

建築家の仕事は、建物を設計監理し建てること。

建築に携わる人のイメージはやはり
「つくる」事に特化します。

でも古民家をなおす時に、不思議と「つくる」という感情よりも
もっと強く思い描く言葉があります。
それは「使いきる」。という言葉。

ストック建築の時代と言われて久しいこの時代
何人の建築家が真の意味で「つくる」と同時に
「使いきる」責任に立ち向かえるでしょうか。
悪戯に古いものを一部(例えば建具・柱・梁等)でも使用すれば
ストック建築たり得るでしょうか?
それは「消費」のデザイン寄りの思考になるかもしれません。


近々法改正により規定される、省エネ住宅にしても
住まいの中でエネルギーを「消費」する事には適しても
生産に見合った年月を使い切る事を施主が望む家になっているでしょうか。
人間の為の過剰な設備は自然界に還元されやすいものでしょうか。

建築家の仕事は社会的芸術と呼ばれる分野に立脚します。
「生産」の光の影には「消費」が潜む危険を忘れないようにしたいと思います。

なかなか言うのは簡単ですが難しい問題です。

ゆあさ