大角設計室のブログ

おだやかなくらし。刻が染み込む家をみんなで創ります。

カンチ

設計事務所の仕事は設計図を描いて
実際に現場では、職人の方に建物の形や意図を「教える」ことが仕事なわけですが、
大角設計室の仕事を支えていただいている職人の方から
「教えていただく」機会も多いように感じます。



例えば

カンナ。

最近はあまり見かけないと近所の方から声をかけられました。


鉋は、削る歯も大切なのは勿論ですが、
刃を取付けている台座も堅い木を使っています。
「このケヤキの板とこの台座の木がこすれることも、実は大事」
なんて、ボソリと教えてくれます。



何百年・何千年と培われた技術が大工の手の中には受け継がれています。
あまり多くを語らない彼らの手によって、
見違えるような美が家のそこかしこに吹き込まれています。

その圧倒的な、「美を纏った歴史の厚みがある技術」を
職人の方々の一挙一動から知る度に
民家のデザインと立ち会うスタンスを考えさせられます。

再生の現場はまさに先人との対話です。
先人達の圧倒的な美を掘り起こし、磨きあげ
さらなる高見を目指して図面を描いています。





ゆあさ