大角設計室のブログ

おだやかなくらし。刻が染み込む家をみんなで創ります。

漆を塗って


民家には色を楽しむ文化が存在していました。
柿渋・漆・ベンガラ等、天然の色を木材に施してきました。
天然の色は段々退色して色が薄くなっていくのですが、色に「ふかみ」があります。

この柱は、ベンガラと漆を混ぜたもので再塗装して
京都の現場に運ばれてきました。

一方で日本には白木を尊ぶ文化があります。
白木(シラキ)とは木を塗装せずに、そのままの状態で使用することです。
代表的な建物で例を挙げるとすれば、伊勢神宮があります。

伊勢神宮は全て白木でできています。
そのためでしょうか、神社仏閣等では総桧つくりやヒバつくり等の
木肌の瑞々しさをデザインに取り入れてきました。
白木は同時に木目を楽しむ文化にも直結しています。
「四方柾目」などはそうした文化背景からくる価値観なのかもしれません。


たまには色気を住宅のデザインに取り込むと
生き生きとした雰囲気になります。色を決めるときは楽しいですね。


ゆあさ