大角設計室のブログ

おだやかなくらし。刻が染み込む家をみんなで創ります。

国宝×アート2

「アート・プログラムin鶴林寺vol.2
〜現代美術×国宝 〜施美時間〜」が、
11/4(月・祝)まで絶賛開催中です!


さて前回ブログの続きです。


方丈記」の作者で有名な鴨長明。その長明がつくった建物「方丈の庵」です。


その庵は、簡素な素材で簡単に組上げることの出来る軽やかな設えでした。
特筆すべきは、3.03×3.03mの極小空間であるにも関わらず
寝食のための空間の他に
美術や哲学を行なう為の机がわざわざ設えてあることです。




如何に、生活の質を高める為に
精神を高める空間が不可欠かということが伺い知れます。

現代の住宅から抜け落ちたものが何なのか。
ヒントを約800年前の家が教えてくれているのではないでしょうか。


今回つくった建物は方丈庵の約1/2スケール。
現代美術展にあわせ
「建築でありアートでもあるよう」不思議な大きさに設計しました。




このボックスの中には一体何が・・・・








!!!!


お堀に渡された石橋を渡り、心身ともに清められ
静かな気持ちで建物に近づくと
扉が突き上がって、なにやら中に見えます。








こんなん入ってます。
お餅テッカテカ。

紅と白
透かされた竹越しの光と影のストライプ。








建物の裏に回り込むと、
国宝の本堂が露地越しに見え、結構感動的な風景です。
昔この露地も自由に往来があり
その時もこんな風景が日常であった筈です。
しかしながら、現在は埋もれ忘れさられた美しい風景です。

この大切な鶴林寺のなにげない歴史を簡素な小屋が思い出させてくれます。


低い突き上げ窓をするりとくぐり抜けると現れる風景。
それはさながら、異空間へのトンネルです。


生から死へ。死から生へ。過去から未来へ。



建築がたち上がることで、
その場の空間とともにとけあいながら、高みへと導くことが出来ます。

建築とはそういう力があると信じています。



ゆあさ