徳島は「藍」で栄えた歴史を持ちます。
ジャパンブルーと呼ばれた時代があった程
高い品質を作り出していたのは「藍商」とよばれた人々でした。
その藍商の住む民家の納屋である「藍寝床」を見た時
これは徳島の民家の本質に繋がるのではないかと個人的に感銘を受けました。
一つの特徴として広い下屋根をもつ事です。
それは雨の多い地域の民家には多く見られる事ですが
ここはその広さの意味や構成が絶妙に違います。しかもとてつもなく美しいのです。
徳島の施主の方の設計打合せ時に言われた事は
「軒を深く」「縁側のようなものがほしい」という要望でした。
雨を防ぐという実用面でも勿論ですが、施主の方は
そのような形の方が好きだという事も仰っておられました。
徳島の方は先ほどの藍商の民家のような風景に
親しみを覚えるのかも知れません。
大角設計室は最近は県外での仕事も多くなってきました。
大角設計室の特徴は守りつつも、その土地土地に培われている
民家の良さを如何に理解し、その上で多少の微調整を続けるよう努力しています。
昔からあった物なのに
こうして丁寧に作られている事によって、
「昔はみんなこんな家が多かったのよ」と大勢の方が言って下さいます。
その土地土地で屋根や軒、壁や庇、縁側や中庭、柱や梁等
全て意味合いが違うのです。
それらを踏まえた上で大角設計室が目指す物は
地域にとけこみながらも、民家という形式に納まらない
もっとすごい家があるのではないかと日々模索しています。
どこにでもあったのに
こんなに丁寧に時間をかけてもどされたものはなかなか見なくなったナァ。
そんなシナチクにあえる「春陽軒」肉そば。
ゆあさ
■このブログの続き →テーブルのある家へ■
□このブログ前回のおさらい→分棟という建て方□