大角設計室のブログ

おだやかなくらし。刻が染み込む家をみんなで創ります。

見えない空間

地鎮祭を執り行いました。
長く続く雨の中、当日は奇跡的に雨の切れ間となりました。



敷地四隅に竹を建てて
それぞれをしめ縄で結び、縄のなかごろに紙垂(シデ)をつけます。
そして中央には祭壇を神籬(ヒモロギ)として拵えます。

式は、神に一時的にこの結界のなかに降臨していただき
禍事(マガゴト)のないようにお伺いをたてます。
その後神の力を借りて、地と人を清め祓います。
最終的には神に再び地から離れ、おかえり願います。



そうして式を終えるといよいよ工事の始まりです。

設計者は図面に描いた柱一本一本により
まだ見ぬ空間の領域をイメージしています。

地鎮祭の結界に囲まれた空間は、不思議な領域を感じる事ができます。
神事の少なくなった昨今の生活では、なかなか感じることは難しいかとは思いますが
この地鎮祭は見えない領域を想像する初めての作業であるともいえます。

まだ更地のこの風景に施主の方の夢の空間が建つ日を想像して
どんどんワクワクしていただけたら嬉しいです。
設計事務所の家は、一軒一軒がオーダーメイドなので
完成を思いうかべることは特に楽しい時間です。

設計者としては
いつも喜びと同時に、プレッシャーを感じる瞬間でもありますが。


ゆあさ