全国的な少子化問題や教育機関の統廃合による
学校施設の再活用方法がいろいろ模索されています。
僕が学生の頃も、廃校を利用して何か事業をはじめる事例は
少なからず存在しましたが、まだまだ目立たない存在でした。
ですが現在では
全国的にもあまり珍しくなくなってきました。
学校って不思議な存在で、デザイン的にそんなに優れているわけでもなくても
各学校ごとにそれほど特徴があるわけでもないのですが独特の雰囲気があります。
そういった「愛着」のあるデザインというジャンルが
最近はメディアでもてはやされているわけで
完全なノスタルジーのデザインですね。
結構この分野のデザインはむつかしい。と感じています。
サーカスの綱渡りのように大喝采をあびるパフォーマンスのためには
かなりのバランス感覚を要します。
先程も述べたように安易に踏み出せば、
単純なノスタルジー。または、安易なリノベーションへと転落します。
転落してもネットがあるので大事に至らないのです。
つまり、そこそこ、「なんかいい」風のデザインが出来ちゃうんですね。
なぜ、そこそこ、「なんかいい」風のデザインが出来るのか。
それはおそらく、
新旧使用用途のズレ(例えば旧学校、新会社等)が、
多少不思議な印象を与えるためと思います。
ノスタルジーは言い換えるなら「時」がつくるデザインです。
本当のデザイナーが見据える先は、細いロープがかすむ未来です。、「なんかいい」”風”のデザインでは無い筈です。
過去と断絶する必要は全くありませんが、「過去に吞み込まれる」必要もありません。
過去ー現在−未来を突き抜けた「時間のデザイン」を今日も考えています。
ゆあさ