大角設計室のブログ

おだやかなくらし。刻が染み込む家をみんなで創ります。

ヤクルトのデザイン

 

ヤクルト1000ものすごい人気ですね。

 

 

先日大角事務所に、ヤクルトレディがきてくださって

「ヤクルトどうですかぁ~」と定期購買をすすめていただきました。

 

 

「いやぁ、僕はヤクルト1000飲んでるんですぅ。」

「ワシも飲んどるぞ。」と大角と私。

 

「そうなんですかぁ!」

と喜んでいただき、試供品のヤクルト400Wを下さいました。

 

 

写真で400Wと1000を較べてみると

入れ物の大きさが若干大きくなっていることが分かります。

でも基本的にそのままのデザインです。

 

 

 

ところで、このヤクルトの入れ物デザイン。

誰がデザインしたかご存じでしょうか。

 

正解は「剣持勇(けんもちいさお)」さん。インダストリアルデザイナーです。

デザイン界ではとても有名な方で、

籐(ラタン)で出来た椅子などのデザインはみなさん知らず知らず

見ているんじゃないかなと思います。

 

 

 

デザインしたものには「意匠権」というものが存在します。

かたちを真似してパクるのを防ぐために意匠権はあります。

 

ヤクルトの意匠権には少し事件があります。

 

意匠権を申請したのは1990年代ですが、当時すでに

パクリのデザインが横行していて、

「ありふれた形だから独自の意匠として認められない」という判決が下り

その判決に対抗するために、広くアンケートをとった結果を

不服の理由とします。

 

 

アンケートの内容は、飲み物の容器の形だけを見せて

これは、なんの形ですか?と大勢の人に質問する形式です。

 

これに対し驚くことに

「98%の人がヤクルトだと回答しました。」

 

この結果が決め手となって、無事にヤクルトの「意匠権」は守られました。

 

 

これって、実はすごいことだと思われませんか?

 

 

デザイナーの名前は知らなくとも

ほとんどの人が、「このデザインを知っている」と言えるほどの

独創的なデザインなんですね。

 

 

もともと、この「剣持勇」というデザイナーが矜持としている言葉があって

「誰がデザインしたかは知らないが、みんな知っているデザインを目指す」

というものがあります。

 

 

言うは易く行うは難し。ですよね。

 

 

でも、日本にはそんなデザインいっぱいあって

そういうデザインに気づけるかが

未来へ向けてのデザインを創るために大切なのだろうと思います。

 

 

たとえば大角設計室が思考のベースとしている「民家」なんかもそうです。

誰がデザインしたかわからないけど、みんなが共有できる形です。

そういった既に存在するものから着想を得ることが大切です。

 

大角もよく言っています。

「僕が設計したことは知らなくても、あの建物知ってる。

と言われる建物をつくりたい」と。剣持さんと同じですね。

 

 

 

 

ヤクルトの容器も、じつは「こけし」の造形をヒントに生み出されていると

言われています。

 

ほら。

なんだか、ヤクルトのデザインの原型のように見えてきませんか?

 

 

えっ?見えてこない?

まぁまぁ、ぼくのは「木地山系こけし」なので

ヤクルトの造形に近いのは「鳴子系」「弥次郎系」「津軽系」なので

しょうがないかな。

 

またこけしの話は別の日に。

 

 

 

ゆあさ