牡丹鍋について考えています。
今さらながら、大角設計室忘年会の写真です。
今年の会場は岡山県最強と思われる温泉宿。
温泉だけでもつるっつる、スンヴェ、スベなのに
猪なべがね、これまた
岡山随一の旨さなんです。
春菊もお大根も白菜はんも
エレガントな猪肉を上品にエスコート。
おいしおすなぁ。
最近デザインとは何かを思う時
この猪鍋が最近はアタまヲよぎります。
デザインって何ですか?
そう聞かれたらデザイナーそれぞれに回答があるのでしょうが
僕が個人的に思っているのは
「微差」を創り出す人。
ではないかと思います。
この猪鍋も特に変わった品物、調理法ではないけれど
関わった人のワズカナ工夫や気づきが
最終的に圧倒的なものとして現れています。
ほんっと美味しいんです、ここの鍋。
デザインって他に見ないような
一風変わったものをつくる、って一般的には
思い込まれています。
変わってなきゃいけないみたいなね。
でもレベルの高いものってだいたいが
一見変哲がないものがおおくて
でも
「よく見ると」おお!と気づくものや
最初使っている頃は
「ぜんぜん良さがわからない」ものでも
ふとした年月の後に
「じわじわ」いい!と味わえる。
そんなデザインが住宅には求められる気がします。
ヘンテコな形しなきゃ、建主が気付いてくれないとでも
思ってるんですかね。
瓦の色右と左どちらにしようかな。
そんな「微差」の世界です。
真っ赤や虹色の瓦にしなけりゃ
デザイナーの仕事にならないなんて
温泉宿の牡丹鍋に笑われます。
食事中の内容が
「ええ?ナメタケ育てたことないの?」
「シイタケ事務所に生えとるじゃろうが?」などと
永遠と椎茸の育て方について
白熱した議論になるという
田舎っ子まるだしの
それでいて
デザインの深淵にふれるような
若手にとっては刺激的な夜だったのではないかと
勝手に期待しております。
ゆあさ