竣工間近の現場にて、最終チェックしながら
いつも、本当にこの場所に、このデザインが相応しかったかどうかを
もう一度思いを巡らします。
思い悩みながらも、100点になりそうでならない箇所が「スイッチ」。
スイッチもなかなか、場所に悩みます。
特に難しいのが、大角設計特有の壁。
ランダムそうで、実は規則がある不思議な凹凸をもつ壁。
これにスイッチをつけるとなったら、さぁ大変、ですよ。
スイッチは本来、壁に最後に取付けるために
スイッチプレートの厚み7ミリ程が、壁面より前面に出てしまいます。
この壁面とスイッチプレートの僅か7ミリ程の段差が多くのデザイナーを悩ませてきました。
そこで、見せても良いような、オシャレなプレートなども既製品としてあります。
大角設計室のスタンスとしては、建築本体にお金配分をメインで充当しますから
そちらにそんなに金額をかける事はしていません。
むしろ、そんなに目立たして見せたい訳でもないんですよね。
建築に埋没していくこと。つまり、建築本体の魅力が目立てば
おのずとサブの要素(スイッチや器具等)はやわらぐ。そういった考えです。
ここで、先ほどの凸凹かべに戻ります。
よっしゃ、埋没させたるでー。
と言わんばかりに、埋没させます。
でも、何も考えずそうすると、何と僅か数ミリ壁の凸凹が邪魔をして
スイッチが押し辛いケースがあります。
見た目だけでいえば、埋め込めばより良い感じ。
使い勝手でいえば、壁面に近い方が良い感じ。
工事屋さんが作るには、壁面ぼこぼこするなという感じ。
僅か数ミリの壁面の攻防。
意外と、デザインの楽しさはこんなところに潜んでいます。
ゆあさ