大角設計室のブログ

おだやかなくらし。刻が染み込む家をみんなで創ります。

窓はどこへつながるの?


施工者の立場で欲しい情報と、
設計者の立場で伝えたい情報は、微妙に違います。
全然違えば、「そうじゃねーヨ。」と突っ込みが入りながら
現場は進む訳ですが、
意外とお互い(設計者・施工者)が半分理解・半分勘違いしたまま
現場が進むことで「なんじゃこりゃ?」といったモノが出来上がりがちです。



なぜ、この木はこの寸法になっているのか?
なぜ床と、枠がそろった高さになっているのか?等の
意味が、施工側と設計者側では違う訳です。

そのために「設計」だけでなく「監理」が必要になってきます。




岡山県北での再生工事はずんずん進んでいます。
この現場の棟梁は、設計の意図をなんとなく理解したうえで
施工に移ってくれるので、電話等での打合せになったとしても
スムーズです。

失礼ながら「なんとなく理解」と書いたのは
やっぱり出来上がって初めて「なるほどナァ〜」と理解できるからです。
それくらい、大角設計室は同じようなデザインをしているようで、
毎回毎回、その場所に合わせてデザインを調整しています。

何度も現場をご一緒している棟梁でも毎回チャレンジした仕事になります。



現場で比較的初期に細かい打合せが必要なのは「窓」の納まりです。
この窓の高さの意味。
窓と壁/ガラスのぶつかる見え方の意味。



そうした打合せは全て「窓」
「窓にしか出来ない」役割を最大限魅き出す為です。
そのために「デザインが必要」になります。


デザインとは何度もブログで書いていますが
モノの本質を分かりやすく翻訳したカタチです。


たとえば、明るい部屋にしたいと思った時に
解決方法はいくつかあるでしょう。
窓の大きさを大きくしたり、壁を白く塗ってみたり・・・。
でも大事なのは、
「なぜ明るくしたいのか?」
という事だと思います。ただ、こうしてみたい!だけでは、ただのカタチ遊びで
デザインではありません。

デザインは直ぐには分かりませんが、長く生活してその空間に佇んでみると
「ん〜。なるほど。」とじわじわ、なぜここがこんなカタチになっているかを
指し示すヒントになっている筈です。



でもそもそも「デザインなんて必要なんでしょうか?」





必要だと思います。

なぜなら人は「意図」を知ってはじめて
モノを本質的に理解する事が出来るからです。
設計者も、施工者も、施主もこの意図の共有が大切だと思います。


設計者も施工者も、施主の為に「本質的に何をすべきか?」という理解を
共有する事で高い施工技術と美しいデザインを両立したアイデアも出てきやすくなります。


施主が生活を楽しいものにしていくために、
意図を感じる=「デザインを楽しむ」
ことができる家はとても幸せだと思います。


みなさんの家の「窓」から何がみえるでしょうか?


ゆあさ