大角設計室のブログ

おだやかなくらし。刻が染み込む家をみんなで創ります。

いつもはじめて

ホテルを改修中です。
私は設計補助としてホテルは経験した事が無いので
初めての挑戦で、毎日新鮮です。

現在設計中のもう一件の案件も規模的に初めてのチャレンジのものがあり
悪戦苦闘中です。


新しい業種の建物を経験する度に
今まで、なんとも思ってなかった風景が
とても興味深く見えてきます。

飲食店しかり、美術館しかり、事務所しかり、工場しかり、住宅しかり。


設計依頼主から、直接お話を聴く機会が何よりもよい設計のアイデア
今後の貴重な経験に繋がります。
と、同時に如何にいままで自分が無知だったのかを思い知らされます。





かといって、大角設計室の主戦場である「住宅」とて
いつも新鮮な気持ちで設計に望んでいます。



なぜなら、一軒一軒事情が違うからです。
建てる場所の環境も違いますし、
施主の家族構成や嗜好も違います。


そうなんです。
全然、違うんです。


この僅かな違いが、設計に大きく影響を与えます。
その微差に気づけるかどうかが、設計者の真価ともいえると思います。

良く「衣・食・住」は人間に一番近しい要素なので
一人一人にフィットさせるべき仕事だと言われます。
だから、この仕事に関わる分野は機械化がすすむ近代に於いても
手仕事の領域が重宝され続けています。

それはやはり、人間の豊かさに繋がる大切な事です。


ですから、住宅の設計をする時はいつだって新鮮な気持ちで
真っ直ぐ敷地に。そして人に、向き合うようにしています。





さて、均質に見える近代的なホテルはどうでしょう。
一番人間に近しく、
一番疲れを癒す空間です。

ホテルのオーナーはそういった利用者を
如何にもてなすべきかをいつも考えておられます。
そんな当たり前の事を、改めて考える良い機会になっています。


均質に見える部屋ですが、一軒一軒設計に関わってみると
部屋から見える風景や、音。風通りや方位。
部屋の広さの微妙な違い等など。
結構条件が違います。





工事の方は、突貫工事です。
期間がとても短く
ピリピリした空気が現場を支配しています。

だからこそ、設計的な事を考える余裕が、現場の人達にはあまりありません。
こういった現場にこそ、設計者が関われる意義があるのだなと思っています。






さて、まだ見ぬ利用者のために、この工事が
無事によい結末を迎えれるよう頑張ります。



ゆあさ