前回ブログ(復興住宅へ)のおさらい↓
今年も全国で豪雨による大変な被害がありますね。
そのニュースを聞くたびに、私たちに出来ることはないかと思います。
私たちにとって、水害は他人の問題ではなく
「私の」問題と成りました。なぜなら私たち大角設計室は
倉敷で実際に被災にあった方の住宅を
復興するお手伝いを経験したからです。
伝聞したもではなく
体感した出来事ではありますが
実際に私が被災したわけではないので
どれだけ寄り添うことが出来たかは
長い時間をかけて、ゆっくり自分の中で反芻し
想いの深くに留めていきたいなと感じています。
水害に遭われた方のこれからの助けに少しでもなればと、
設計士の立場としての経験を少し書き留めておきます。
水害後、まずは工事・・・と言いたいところですが
実際はそう容易く復旧に向けてことは動きません。
まず最初に起きることは、「どうしよう」という気持ちでいっぱいになります。
同時に「どうにかしなきゃ」という気持ちもいっぱいになります。
家を片付けながらも再び降り続ける雨。
決壊した原因の河川の問題もまた繰り返されるかもしれない。
当座の仮住まいの確保。
金銭・将来の不安。
職場、学校、生活リズムの変化。
明日に向けて不安定すぎる要素が多すぎて
さあ、前を向いて復興しよう!などと外野が簡単に言える状況では
全くありません。
想像を絶するような、心の氾濫を必死に抱えながら、
なんとか力を振り絞って、
家に侵入した泥水を掻き出し、
水没したものを運び出し、
思い出の品を多く喪失しながらもなお、
明日へと一歩一歩、乗り越えてきた施主の方々を
本当に尊敬します。
設計者としてアドバイスするならば、
被害状況を直視するのが大変辛い時期ではありますが、
「写真を撮っておく」ことをお勧めします。
現場の被害状況を残しておくと、保険がおりたりするときに
非常にスムーズです。
写真を撮るもの(カメラ、携帯)が流されたり、
水没してない方もおられると思います。
また直視するのが辛い方もおられます。
そんな時は周囲の方が手を差し伸べてください。
設計の前段階であっても「設計のプロ」が現場で被害状況の調査を
補助的に行うことは十分役に立つと思います。
あまりの被害の大きさに、思考停止しそうな不安に襲われている人にとって
冷静な事務処理などの対応をしてくれる他人は
とても助かる存在になれるはずです。
次回は復興に向けての工事を少し書いていきたいと思います。
ゆあさ
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