最近の大角設計では以外と(?)新築工事がたくさん行われています。
それでも民家を設計の"イシズエ"として、
いつか古民家になるような家を作っています。
そんで今回は”石”を”据え”る話です。(しょうもな)
現場では棟が上がった頃
柱の足元に置く石を選びに行きました。
小豆島から石をざっくりと運んでもらい、
その中から発掘していきます。
大角も湯浅も果敢に発掘しています。
自然物の良し悪しを人間側が決めるのもおこがましい気もしますが、
でもやっぱり安心して柱を預けられるような、
昔からそこにあったような、
氷山の一角のようなイメージで。
石を選んでいきます。
そして、選び抜かれたスタメン達。
ずらっと並べるとなんて事はないですが、
ずっと睨めっこをしていると、表情がわかってくるような気がします。
一つ一つに据える位置や向き、ヒエラルキー、その他もろもろの意味を乗せて
現場に運ばれていきます。
踏み石には岡山の名石”万成石”を使うことに。
キュビズムみたいな石切場は10階建てのビルじゃ足りないくらいバカでかく、
そこから切り出された膨大な石から発掘していきます。
でもその中から選ぶのは切りたてのピカピカで綺麗な石ではなく、
あくまで風雨に耐え忍んだ、土着性を持ったものを選びます。
まず石があって、その上に建物が建っているという順序を崩さないように。
自然を切り開いて建てる建築が込めることができる、自然へのせめてもの敬意として。
ひとつひとつに物語を込めていきます。
脈絡なく”遠くから持ってきたもの”は、
高価であることに意味あり、本質的には意味を持たないのではないか、
そんな問答をこえて、大角設計の家は近所のものをこねて作ろうとしています。
そこらへんにある”普通”のものを”普通”に取り込むことは
以外と大変なんです。
うえにし