昔一人でできるもんってテレビ番組や、そんな名前のアーティストがいましたが
建築って一人ではできないんです。
理由としては
物理的にとても大きなものだからという理由もあります。
もう一つ理由を挙げるとすれば
各工程ごとに(例えば屋根とか、基礎とか、建具とか、電気とか)
多くの職種の職人が、各々専門分野を担当するという
実は分業作業によって一つものを作り上げる必要が技術的な問題としてあります。
前日に現場に行ってみて
「ん?」
と思ったところを関係する職人さんに現場に集まっていただき
問題を一緒に解決していく知恵を出し合います。
その時に100パーセント言われるのが
「設計屋さん決めてぇ〜」
今日は屋根のてっぺんちょ。
「棟(むね)」と呼ばれるところの打ち合わせです。
オッケーオッケー決めたりますわ。
ということで方針を決めて、職人さんたちと寸法を割り出して
仮位置を決めます。ルーフィングにマークしていきます。
ここで、設計職人から屋根職人さんにバトンタッチ。
その位置だとこうなりますよ。どうでしょうか?
屋根職人から設計職人にパスが返ってきました。
なるほどなるほど。そうなると、こうこうこうなるはずですけど
かくかくしかじかでよろしいですか?
次は先ほどのパスを板金職人にダイレクトパス。
そうやなぁ。そうするとこの辺りまで鉄板を伸ばす必要があるから
綺麗におさまるかなぁ。う〜ん微妙。
なんとも自信なさげな返事のパスが返ってきました。
そのパスを受け取って、
やはり一回、今すでに出来ている煙突の位置をごくわずかですが
どーしても動かしたほうが、機能的、美観的にいいのではないかとの結論に至り
工務店に連絡。
工務店がさらに修正のための各職人にパスを出します。
そうやって私たちの描いた一本一本の線が
住まいての目指す家の形として立ち上がってきます。
時には雨やら、雪やら、寒さやら、暑さやら、
難易度の高さやら、設計変更やら、数々の障害物がありますが
気の遠くなるような各職人のバトンタッチで
ゴールへ向かっていきます。
ゆあさ