中庄のとある角地にて、ひとつの物語が始まっています。
これは下地のモルタル塗が終わった段階です。
遠くから見ても、近くでも見ても美しい仕上がりです。
仕上げはもちろんですが、見えなくなる下地まで手を抜かない。
丁寧な仕事振りです。
建物外部の左官仕事は、
動きのある太陽の光やその日の湿度や風の有無などによって
塗り方やペース配分を調整をしながら塗り進めなければなりません。
ここ最近は天気が落ち着かなかったですから、
余計にやっかいだったと思います。
「簡単そうに見えるけどけっこう大変なんだから」と笑いながら左官屋さん。
「いえいえ、丁寧なお仕事をありがとうございます」と私。
この日は仕上りの白漆喰とモルタル下地の間に塗る
無色の接着剤を塗っていました。
白っぽく粉を吹いている右側に対して、
塗った左側は表面のトーンが落ち表面が硬質化しています。
接着材本来の役目に加えて防水性能をぐんと高めるとのこと。
そして仕上げの白漆喰が完了です。
焼杉板と白漆喰のコントラストが気持ちよいです。
外壁が仕上がると一気に建物らしくなりますね。
完成が楽しみです。
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そして、ふたつ前の記事でうえにしが書きました
徳持耕一郎さんの鉄筋彫刻展が
福山市の信岡フラットミュージアムにて、7月11日(日)まで開催中です。
初日のジャズライブ&ライブドローイングは私も客席にいました。
被写体の立ち姿や動きから要素を抽出しながらさらさらと描き出される線。
その場であんな作品が出来上がっちゃうなんて。
私が作品を見て感じたのは、
徳持さんにだけ見える透明の筒が設定されていて、
その筒を軸として線をさらさらと導いているように思いました。
生き物でいう背骨のようなもの。
背骨は透明でそこにはないけれど、
背骨に従う形でその周りにふわふわと線が浮いている感じ。
展示室には、鉄筋による立体作品はもちろん、
毛糸を用いた平面作品なども飾られています。
また最終日に2回目のジャズライブ&ライブドローイングがあります。
心地よいジャズサウンドに浸りながら、
徳持さんの魅力的な才能に触れてみませんか。
ご興味がある方はぜひ足を運んでみて下さいね。
会場内の感染症対策は万全を期しております。
入口での検温・消毒や
会場内でのマスク着用にはご協力をお願いいたします。
さの