大角設計室のブログ

おだやかなくらし。刻が染み込む家をみんなで創ります。

浮かぶ、建物。

 

建物のすぐ横を用水路が流れています。

 

景観上は長閑でとてもいいのですが、建築工事となると

工事をするための足場をするうえで結構大変です。

 

 

このプロジェクトで難工事となったのは

この用水路沿いの壁の一番下をやり替えることについてです。

 

 

壁の一番下を撤去するためには、二階以上の部分を持ち上げた状態で

工事を進めないといけません。

その為に、用水路上に鉄骨のレールを敷渡し

櫓を組んで建物を持ち上げました。

 

 

 

壁が持ち上がっている状態が、内部から見るとよくわかると思います。

 

浮かんでいる壁の下に、鉄筋コンクリートの壁を作っていきます。

最終的に、鉄筋コンクリートの壁が出来て、時間が経って強度がでてきたら

ゆっくりとそのコンクリート壁に二階部分の壁を降ろします。

そっと新しく出来た鉄筋コンクリートの壁に二階の既存壁を置き、二階と一階をつなぎ完成します。

 

 

この浮かんでいる状態は大変危険な状態なので

工事中は非常に緊張する工程でした。

 

こんなアクロバットな工事方法ですが

実は昔からある技術なんです。

 

もともとは「曳き家(ひきや・ひきいえ)」とよばれる

昔からある伝統的な建築技法の応用を今回は採用しています。

 

 

 

 

最近の建築は、ハイテックな雰囲気もありますが

現場にはそんな最先端に見える技術の

もともとのネタが結構当たり前に存在します。

 

現場で建築を考えるのはとても大切なことだなと感じています。

 

 

 

 

ゆあさ