新しいプロジェクトが始まっています。
私達の地元岡山県ではなく、
おとなりの広島県へ高速を飛ばしてやってきました。
日本全国で仕事をしている大角設計室ですが
こうして声が掛かる時は、住まい手になにかキッカケがあるわけで
古い家をなおす場合は、相続や、子供世代が帰ってきたりと
人生において大きなライフイベントと重なります。
田舎だけではなく、都市部でも同じようなケースで仕事の依頼が多いです。
とても美しい民家です。
ですが、引き継ぐ予定のご家族は現在遠隔地で暮らしており
手入れの為に時々、ご実家に帰省されている状態でした。
そこで、どういった方法でこの愛すべき住まいを残して
引き継いでいけるかどうかをほうぼうに相談している先で
私達にお声がけいただきました。
建物の細部に至るまで、当時の当主がこだわりを持って
建造されたのだなとよくよく分かります。
家を引き継ぐ方法には魔法のようなものはありません。
片付け。草刈り。雨漏りの補修。台風対策。
法律。お金。家族の意向をまとめること。
適切な工事業者の選定。信頼できる設計者との出会いなどを
一つ一つ丁寧に解決していかないといけない
気の遠くなる知恵の輪のようです。
そのために、何よりも大切なものがあります。
引き継ぐためには「引き継ぎたい」という想いが必要です。
そういった連綿と続く「人の想いのストーリー」が
そのままこの家のヒストリーになっていくのだと思います。
私達設計事務所も、その一員としてがんばります。
ゆあさ