大角設計室のブログ

おだやかなくらし。刻が染み込む家をみんなで創ります。

ピンから

前回までのおさらい
o-sumi.hatenablog.com


今日は温泉でも入りたいナァ。
てな感じで修善寺です。
長い移動距離のBGMは宮史郎「雨の修善寺」。

だいぶん施主の方にはお待ちいただきましたが、
最後の仕上げに入っております。
施主の方といつもお話しするのですが
「最後の最後になるまで実際に出来上がる空間が分からないと思いますよ」
「さいごの仕上げのほんの一週間でガラリと印象が変わります」
などと工事の最中は説明しています。

その言葉の意味がようやく真実みをおびてくる工事期間に入りました。




しかしながら、この現場は最終的に室内に配する家具の明確なイメージもあるため
完成イメージに着実に近づきながらも、もっともっとと
変化を望んでしまう自分がいます。
さいごまで未完成。いつまでも未完成な現場は
正しい設計ならば、素晴らしい現場だともいえると思います。


イメージがはっきりしているが故に
その到達点にむかってもがく作業は膨大になります。
設計者・施工者・施主ともに苦しく大変な作業ではありますが
この時期に間違った道を修正し
正しい目的に近づけたと実感出来る喜びは、チーム全体で共有出来る
有意義な時間です。




この写真は事務所玄関を入ってすぐの写真。
一本だけ見える松丸太が、ゾクゾクする迫力。
こんなイメージをずっと図面を最初に描いている段階から
思い描いていましたが、イメージの向こう側に到達出来ました。

置く家具。掛ける絵。生ける花。植える樹形。
ほんのささいなことで空間はよくも悪くも変化します。
今後のさらなる現場の進化が楽しみです。



ゆあさ


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