大角設計室のブログ

おだやかなくらし。刻が染み込む家をみんなで創ります。

嵐の風


さて、御寒う御座います。
みなさまいかが御過ごしでしょうか。



まっこと、急がしかことで、西へ東へ、北へ南へ高速移動しております。

だんだん暖かくなってきたとはいえ、
まだまだ今年は寒いですね。

そんなこんなで仕事で九州へ。

茅葺き民家の再生計画です。
最近のメインフィールドは東北なので、
久しぶりにあったかいところだと安心していると・・・



どないやねーん。
というくらい。雪降ってます。
あたりまえだのチェーン規制ですね。

こんな雪を掻き分けても、私達にはここに来る強い理由があります。



この民家が建つ場所は、陶芸が有名な場所で
全国から、陶器市に観光客が訪れます。

ですが、昨年、記録的な豪雨に見舞われて
甚大な被害が出ました。



私達もニュースで、そのことは知っていましたが、
被災地にはやはり訪れてみないと分からないもので
胸が引き裂かれる程の、心揺さぶられる光景が広がっていました。


今回のプロジェクトは、そんな村で、大事にされてきた民家を
復興のシンボルとしてどうにか出来ないかということからはじまっています。

現在仙台で行っているプロジェクトも同じようなもので
私達地方の小さな設計事務所が、復興のお手伝いを出来るなら
これほど素晴らしいことはありません。

吐く息が白く、
凛とした空気の中、自然と身が引き締まる想いです。



雪化粧の氷点下で食べるチャンポンのやさしさったら、もう。

私達の建築はそのような、滋養に満ちた、清らかな温もりを
届けることが出来るでしょうか。



美しい筑前の夕暮れを見ながら、まだ見ぬ雪解けに
想いを馳せました。

春はもうすぐです。




軒のはの

嵐の風は さわげども

春を覚ゆる

家の内哉。




ゆあさ