おぼろげながら感じる、美しさがあります。
美しさは、桜のように儚く、
そして、やわらかく、泡沫の表情を見せては
目立たない存在として風景に埋没します。
民家も同様に、根底にながれる強い脈動は
大地の中深くに染み込み、
私達に知られることはなく、いつの間にか
静かに消えゆきます。
だれが、この美しき気づきにくい存在を救うのだろうと、思うとき
いつも決まって、勇気ある決断をされた施主の方々の顔が思い浮かびます。
この場所で、寝転がり、
生活を営み、この場を離れてさえも
この民家とつながり続けて今日まで来れたのはきっと
大地から沸き上がる脈動が
体の奥深くの鼓動とシンクロする感覚が
施主の心根にあるためでしょう。
その背中を支え、共に歩める存在でありえる
地方の設計者でありたいと思います。
ゆあさ