大角設計室のブログ

おだやかなくらし。刻が染み込む家をみんなで創ります。

胎動

これまでのブログ記事おさらい

o-sumi.hatenablog.com

 

さあいよいよクライマックスです。

 

 

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工場が完成し、動き出しています。

コロナの影響を大きく受けながらも

建設の打ち合わせに関わってくれた若い工場のスタッフの方々は

大きな不安と同時に、

「ようし、やったるで!」と

この新工場の中で勇ましく奮闘してくれています。

 

完成した瞬間から機械が設置され始めて

ちょっと焦りました。

 

 

 

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設計の仕事の大切な側面は一体何なのでしょうか。

 

機能的に建物を満足させることですか?

答えはイエス

 

金額的に建物を適正につくることですか?

答えはイエス

 

工事を適正に監理することですか?

答えは、こちらもイエスです。

 

 

でもですね、さらに掘り下げて

他に何か設計者だからこそ、できることは、ないのでしょうか?

 

 

先日コロナが流行する直前に竣工した

店舗の施主に言われたのですが

「あの時に完成してよかったです。

大変ですが、今、しっかり使わせてもらってますよ。」

と言葉をいただきました。

 

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そうなんですね。

設計者の大切な仕事は

完成した建物を「建主がしっかり好きになる」ように

一緒に創ることなのではないでしょうか。

気に入ってくれているから、こんな状況でも歯を食いしばって

建物をフル活用する術を考えてくれています。

 

 

すべてが、思い通りにはいかないかもしれませんし、

好みと多少違うこともあると思います。

 

ですが、設計者と一緒に話し合って最終的に出来たものが

「いいなぁ。嬉しいな。大切に使っていきたいな。」と

感じられるような、大らかな建物になっているかが、

とても大切なのだと感じています。

 

そのためには、実は設計者はある工夫をしています。

 

その工夫とは

「美しさが機能の傍にあるように」デザインすることです。

人間とは何とわがままで、機能的合理性だけでは

なかなか満足しきれないんですね。

 

 

「なんだかこの建物、愛せるナァ」と思えるのだとすれば

それはきっとデザインが隠されています。

 

建物は、こんな状況下でも、いや、

もとよりいつだって、人々を励まし、癒し、勇気づけていける

特別なものなんだと気づかされる毎日です。

 

ゆあさ