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毎年のことながら年の瀬はバタバタします。
そんな中でもこの前棟上げをした家が着々と工事が進んでいます。
棟上げの時の写真ですが、大工さん上空5Mで談笑しています。
余裕やなぁ笑
百戦錬磨の佇まいですね
そして今回は土壁なので、竹小舞を編み編みしています。
現代ではほとんど見られなくなった土壁ですが、
これ、以外と経済的なんです。
構造がそのまま化粧になるので仕上げの材料費がいらないんです。
また、外壁周りは防火の法的な基準を満たす必要があるので、不燃ボードなんかを
貼ったりしないといけないのが、土壁は燃えないので不要になったり、
はたまた機能も結構すごくて
有名なのは調湿とかですが、
構造として柔らかいので、ポッキリ壊れることが少なく、
じわりじわりと耐える、変形はするけど倒壊はしない…みたいな構造なんです。
それって弱そうに聞こえますが、「柔よく剛を制す」ように
しなやかにエネルギーを逃してくれます。
そしてさっき書いたように構造=化粧なので
建物の痛みを正直に表に現してくれます。
つまり割れなどを修繕をしたら、構造的にも修繕されちゃうというお得な仕様。
綺麗さが構造のバロメーターって、住み手にとってもわかりやすいですよね。
100年や200年前の建物はほとんど土壁ですし、
材料の長寿命は歴史が証明しています。
うちのように百年後もへっちゃらで使えるような建物を考えると
率先して使っていきたい材料なんですよね。
西日が差した小舞はぞくりとするほど美しいです。
一見規則正しい格子状ですが、
よく見ると生物材料ならではの起伏や個体差が
格子にノイズを与えています。
そんなゆらぎが人間と自然の
ちょうど真ん中のような佇まいを醸しています。
土で隠れちゃうのがもったいない!
小舞を残して土を塗る窓を考案しています。
別の現場の写真ですが下地窓と言います。
ノイズを整理し、なんとも洗練された印象です。
草庵茶室には欠かせません。
多少脱線しましたが
ノスタルジーな視点で語られがちな土壁ですが
もっと戦略的な視座で語られることが増えればいいなと思います。
うえにし