門を作っています。
門って最近の住宅ではあまり見なくなりました。
門とまではいかないけど、塀の延長に小さな勝手口みたいなものがあるのが
せいぜいでしょうか。
でももし、機会があれば門をデザインしてみてください。
門は「さあ、ここからは家の中に入っていきますよ・・」という
心を入れ替えるスイッチ的な心理的デザインや、
物理的デザインとしては、人の動きを止めたり、距離感を出したりという
役割もある、一度で二度も三度もおいしいデザインです。
門は家の格式を表したりもするので、材料も結構気を使います。
そんなこんなで、大工さんたちにとっては、花形の仕事になります。
特別な材種や、サイズ、組み方などをしますので
技量や経験、心構えまで透けて見える。そんな場所になります。
「こんな感じでええかのう?ゆあさ君。」
棟梁とわたしが会話している横で、若手大工も聞いています。
その時
「おーいい。そこの切れ端もってこい。いっかい加工してみろ」
と唐突に若手に伝えます。
任されたのは、屋根を支える先端部分の形状。
じつは中々ややこしいカタチをしているので、不安そう。(でも嬉しそう)
「あってますか?」
そう問いかける彼は、門んを刻むモンとしての面構えになりつつあります。
現場で立ち上げる時が楽しみです。
ゆあさ