大角設計室のブログ

おだやかなくらし。刻が染み込む家をみんなで創ります。

なおたろう

 

いやぁ~、まだまだ日中は暑いけど、

日が落ちると少しずつ涼しい風が抜けるようになってきましたね。

 

事務所にほど近い現場です。

実測にやってきております。

 

最近は毎週どこかの実測をしているんじゃないかというくらい

なかなか楽しいです。

 

 

古い家を実測して、改修するための計画を立てるのですが

大体において既存の建物が「大きすぎて」工事の範囲を絞ることが

最初のステップとなります。

でも、一般の人だけではこれがなかなか難しいんです。

 

 

 

「断捨離」と似ている「古い家の改修」

 

 

テレビ東京「ウチ断捨離しました」でもよくやっていますが

モノを整理するために先ずすべきことは

「自分がどれだけのモノを持っているかを【可視化する】こと」が大切に

なってきます。

そのために断捨離番組では、一度全部隠されている物も含め

広いスペースに一個一個広げて、つまびらかに物量を「認識」します。

 

この「可視化」。「認識」。の順序を踏んで初めて

「いる、いらないの判断が出来るようになります。」

 

 

古い家に於いてこの「いる、いらないの判断」も微妙に難しい問題も

一般的には発生します。

 

ナゼなら、家は「ひとり」の持ち物ではなく「家族ぜんいん」のものだからです。

意思決定者が複数いて「いる、いらないの判断」が複雑化します。

 

複雑化の要因は「思い出」や「嗜好」、または「心配」など

理屈を超えた問題であることも多く

誰もが正しいし、だれもがお互いの事を思いやっているゆえに起きる

問題であるかのような迷宮に陥りがちです。

 

 

可視化・認識・取捨選択

 

それをまとめ上げる助けとなる存在がいるとするならば、おこがましいですが

私達のような「設計事務所」がちからになれるのではないかと思います。

 

先程のテレビ番組の例えで言えば、断捨離トレーナーのような存在ですね。

 

今回のブログ記事の冒頭に書きました「実測作業」とは

自分のいえが実際にどのくらい部屋があって、どのくらいの広さで、

どの部屋とつながっているかを住まい手にわからせる

「可視化」のための作業として「現状の間取り図」を作成します。

 

そうすることで、住まい手が共通の理解する助けになる

「実測図面」をみることで、現状を正しく「共通認識」としてもつことが出来ます。

 

 

 

そして、そのうえで古い家のどこが問題で、

どういった不要な部分があるかを検討していきます。

いわゆる「取捨選択」ですね。

 

 

最後の取捨選択の作業が、

「断捨離」と「設計事務所」ではちょっとニュアンスが違うかなと思っています。

 

断捨離が現在あるものを「引き算」する手法で減った以上の幸福を手に入れる

思考法なのかなと勝手に理解していますが、

設計事務所的解法は「引き算」だけでなく、時には「足し算」や「掛け算」などの

別の数式を持ち込むことで、まったく予想外の答えに辿り着く。

そんなイメージです。

 

断捨離が「1-1=0」ではなくて「1-1=?」であるのに対し

設計は「1+X-X×X÷X=?」というワクワク要素満載な手法です。

 

そんなことを、納屋に掲げられた数式を見ながら思った一日でした。

 

 

ゆあさ